エノクの預言

クウェッツアルによる説明 第215回会見

1987228日土曜日29


クウェツツアル:エノクの預言を告げる前に言っておきたいことがある。すなわち、預言(Prophetien)というものは変更可能であり、人間がその思考、感情および行為を肯定的に変えるならばよい方向に転換でき、そうした変化がより良いもの、肯定的で進歩的なものにつながるのである。預言は常に特定の原因に基づいており、そしてこれらの原因からまた特定の結果が生まれるが、先行する原因が形を変えたならば、これらの結果も常に変わり得る。だから否定的な預言や邪悪な預言も、先行する原因が目的に沿って肯定的に変化し、そこから否定的なものや邪悪なものに代わって肯定的なものや善いものが生じるならば、決して実現することはないのである。ただしこれは予告(Voraussagen)には当てはまらない。なぜならば、予告は将来絶対確実に起こるであろう変更不可能な出来事に基づいているからである。予告は予視、すなわち直接的な未来透視に基づいており、預言とも確率計算ともなんら関係ない。したがって私が君に第3千年紀に関するエノクの預言の一部を告げても、それらが必ず本当に実現するということを意味しない。なぜならば、預言の実現というものはいかなる場合も、すでにある原因が維持され、あるいはまた将来新たな原因が生み出されることを前提としているからであり、それによって初めて預言は実現し得るのである。それゆえ地球の人間が理性的になるということを前提とするならば、理性的に思考するようになり、感情が理性的に発達し、同様に理性的に行動することによって、すべてが善に、より善いもの、肯定的なものに転換する可能性が常にあり、そのため預言が必ず実現するとは限らないのである。

しかしこのような転換が起こらなければ、来るべき新たな千年紀において、非常に邪悪で否定的な時代が地球とその全住民を待ち受けることになるであろう。

ビリー:先の第2次世界大戦以来、地球人の思考、感情および行動は非常に多くが肯定的で善いものに変わった。が、私の見るところ、それだけでは十分ではない。なぜならばより善いものへの大転換は、この世界の権力者たちによっても、地球人全体によってもなされなかったからだ。過去数年間に君たちは地球の経済、軍事および政治情勢について多くの予告や確率計算をし、預言的な事件も述べた。そして私はそれらを広めるよう求められ、実行した。政府や新聞、ラジオ局だけでなく、テレビ局や世界中の多くの民間人にも情報を提供した。しかしそうしたすべてのことは何ももたらさなかった。なぜならば、彼らはこれまで旧態依然としたやり方で漫然と過ごし、預言や予告や確率計算に強い関心を示さなかったからである。私が君たちの許可を得て、第3千年紀に関するエノクの預言を広めたとしても全く同じことだろう。それにもかかわらず、私はエノクの未来に関するメッセージを広く知らせねばならないと思っている。それがどこかで豊かな実を結ぶかもしれないからだ。

クウェッツアル:君が希望を失うことはあるまい。君の楽天主義は実に立派であり、それが人間の耳に届くことを祈る。が、しかし、今世紀は今日に至るまでそうであったように、地球の人間が熟慮して君の言葉に耳を傾けるということに、過度な期待を抱くことはできない。人々が耳を傾けるようになるときは、預言が真実のものとなり始めるか、あるいはすでに実現したときであろう。おそらくそのとき初めて、君が我々とコンタクトを取っていることに関する誹誘中傷が鳴り止むであろう。君の敵、さらには病的な知ったかぶり屋や酷評家たちは長年にわたり我々のコンタクトを躍起になって否定し、詐欺、嘘、ペテンと片付けている。だが、遠い将来、我々と君とのコンタクトは完全な真実であることが証明されるであろう。そのとき人間は、我々が君を介して彼らに与える救いを受け入れるであろう。彼らは、我々が地球人の知っているスバルから来ていると誤解してはいるが。

ビリー:それについてはセミヤーゼもブターも私に説明してくれた。では、エノクの預言によると、新しい千年紀において地球人と惑星地球がどうなるのか聞かせてくれたまえ。

クウエツツアル:すぐに始めよう。ただあらかじめ言っておくと、私は正確な年を公式に挙げることは許されていない。

ビリー:それはわかっている。全く問題ない。しかし人間がより良く理解できるように、預言を少しわかりやすい現代語で表現してもらえるとありがたいのだが。エノクの古い言い回しや書き方は、今日のたいていの地球人にとって理解しにくいであろうから。つまり平明な言葉と叙述が望ましく、預言が謎や秘密に満ちたものにならないようにしてもらいたい。私がすべてを公表すべきであるならば、平明で、わかりやすく、暗号化されていない預言であることが重要だろう。なぜなら、理解しやすい預言だけが有益であり得ると思うからだ。暗号を使うと、人間には何も理解できないために、興味を失ってしまうからである。私の経験によれば、人間はある事柄をわかりやすく明解に説明される非常に鋭敏になり、より深く、強い関心を持って取り組むものだ。預言などを暗号化することによって不安がある程度和らぐというのは事実その通りだが、他方、理解されることが少なければ少ないほど、不安はますます大きくなる。なぜならば、粗野な空想がうごめき扇動し始めて、ものすごい不安や恐怖心が生まれるからである。


混乱が始まる時間的なタイミング

クウェツツアル:君の言うことは正しい。エノクの預言をわかりやすい形で述べることにしよう。では始めよう。地球の人間がこれからも今までと同じやり方で生きるならば、同様にその思考と感情を今までと同じように形成し、同じ行動パターンにふけるならば、これについてエノクの預言は明瞭な言葉で語る。預言が実現し始める時点、それはローマに法王が居住しなくなるときであろう。そのときヨーロッパ中が、邪悪な権力により恐るべき折艦に見舞われるであろう。キリスト教は崩壊し、教会や修道院は灰に帰すであろう。科学によって恐るべき力が作り出され、軍や軍隊、そしてテロリストによって行使され、規模な破滅が起こるであろう。数百万、それどころか数十億の人間がテロ行為や戦争や内戦によって殺されよう。そしてある所では3人に1人、また別の所では4人に1人が命を失うであろう。東の国家は西の国家に対して立ち上がり、西の国家は東の国家に対して立ち上がるであろう。戦闘機や爆撃機によって多くの人間が殺され、爆弾とミサイルが大小さまざまな村や町を破壊し、壊滅させるであろう。これに対して人間は完全に無力であり、888日間にわたりこの世のあらゆる地獄を体験し、飢餓と疫病に苦しめられよう。これらはいまや戦争そのものよりも多くの人間の命を奪うであろう。かつて地球上に例を見ないほど苛酷な時代となるであろう。なぜならば最後には何も買ったり、売ったりできなくなるからである。食料はすべて配給制となるであろう。パン一切れでも盗んだなら、命をもって支払わねばならないであろう。かつてエジプトのナイル川が血で赤く染まったように、多くの水域は人間の血が混じって赤みを帯びるであろう。


イスラム原理主義運動

イスラムの狂信者が決起してヨーロッパの国々を戦争で蹂躙し、それによって一切が激しく揺り動かされるであろう。西側ではすべてが破壊され、英国は打ち破られて、最も悲惨な状況に投げ込まれるであろう。イスラム狂信主義者とイスラム戦士は、長い年月にわたってその権力を維持するであろう。しかしこうしたすべての、ことはヨーロッパだけに限られるものではなく、地球のすべての国と人間が巻き込まれるであろう。なぜならば、一切が世界中を巻き込む戦争へと拡大していくだろうからである。


ローマ法王

法王権は新しい千年紀にはごく短期間しか存在しないであろう。ヨハネ・パウロ2世は、最後から3人目の法王となるであろう。彼の後にもう1人司教が続き、その後にロマン人のペトロと呼ばれる大祭司がくるであろう。その宗教的支配下で、カトリック教会は終焉を迎え、カトリック教会の完全なる崩壊は避けられないであろう。それは、将来地球と地球人を見舞う最悪の破局の始まりであろう。多くのカトリック教徒の聖職者、僧侶、司教、枢機卿、その他大勢が殺害されて大量の血を流すであろう。プロテスタント教会もカトリック教会と同様、極めて小さくなるであろう。


最新兵器

科学者の罪により、権力亡者とその軍、戦士およびテロリストは、あらゆる種類のレーザー兵器や、核兵器、化学兵器および生物兵器によって強大な力を獲得するであろう。遺伝子工学に関しても、とんでもない乱用が行われるであろう。なぜならば遺伝子工学は、制限を受けることなく戦争目的に利用されるからである。その最たるものが戦闘人間のクローン化である。これは昔、へノク(Henok)の子孫がシリウス領域で行ったことがある。しかし驚愕はこれに尽きるものではない。遺伝子工学やABC兵器と並んで、これらよりはるかに悪質で、危険で、致命的な大量破壊兵器が製造され、使用されるだろうからである。恥知らずにも権力を乱用する無責任な政治家も、これらに仕える科学者や隷属的な軍も、死の恐怖をもって支配し、クローン生物を作り出す。これらのクローン生物は完全な良心の欠如のもとに育てられ、殺我機械に仕立て上げられて、いかなる感情も持たずに隊列を組んですべてのものを破壊し、殺害し、壊滅するのである。


アメリカ

他のすべての西側資本主義国と並んで、真っ先に東の国々と戦うのはアメリカ合衆国であろう。他方、彼らはまた東からの侵入者に対して自国を防衛せねばならない総じてアメリカが決定的な役割を果たすであろう。なぜならば、アメリカは平和への努力とテロ撲滅を隠れ蓑にして地球の多くの国々に侵入し、すべてを爆破し、破壊し、何千という住民を殺すからである。アメリカ合衆国の軍事政策は、経済政策やその他の政策と同じく限度を知らない。そうした政策は、かなり以前からそうであったように、世界警察の権力を構築し、これを行使することをめざして策定されるであろう。

だが、それだけではない。いわゆる平和的なグローバル化の隠れ蓑のもとで、アメリカの政治は経済による絶対的な世界支配を追求するからである。そしてそれは、大多数の人間がついに理性を持ち、自分たちの政府と軍およびその諜報機関による狂気の策謀に対して必要な措置を講じ、無責任な責任者の権力をすべての分野で禁止しないならば、第3次世界大戦が勃発し得る方向へと向うであろう。もしそうしなければ、大小さまざまな民族は独立と文化的なアイデンティティーを失って、意気阻喪するであろう。なぜならばアメリカは邪悪な暴力によって彼らに対する優位に立ち、自分たちの意のままにしようとするからである。

最初、多くの国々はアメリカの攻撃と制裁に対する不安から、合衆国狼の声に合わせて吠えるであろう。スイスやドイツといった国々の多くの無責任者もそうするであろう。しかしまた別の国々は、なんらかの形で強制され、あるいはアメリカの宣伝や、無責任者のアメリカ寄りのプロパガンダに惑わされて同調するであろう。だが最後には、アジア、アフリカ、そしてまたヨーロッパの多くの国々は、自分たちがアメリカ合衆国の戦争と征服と搾取の目的のためだけに利用されていることに気付いたとき、アメリカの覇権に対して立ち上がるであろう。したがって最初に多くの国々がアメリカの手下国となった後、政府の責任者や多くの国民に理性と認識が訪れて、合衆国に対する離反が行われるのである。しかし大規模な戦争は避けられないであろう。


大規模な戦争

なぜならば、地球の人間はより善いもの、つまり真の愛、真の自由と平和への指示を思いだせないだろうからである。なぜならば、彼らの努力は安楽や楽しみや富、そして手でつかめるすべての物質的な価値と快楽に、そしてまた際限のない権力に向けられているからである。殺傷力の強い大規模な戦車部隊が国土を踏みにじり、戦闘機やミサイルが空中を飛び交って、国と人々に死と滅亡と破壊と破滅をもたらすであろう。こうして悪い時代が到来して、軍隊は統制を離れて野蛮で邪悪な荒廃をもたらし、人間に対して想像を絶する大量殺我を加えるであろう。人間はこの蛮行をなすすべもなく傍観するしかないのである。君と我々の警告は地球の大部分の人間が馬耳東風と聞き流すが、それでも愛と平和、自由と真理に関する君と我々の言葉に従うならば、少しは救われ、最悪の事態を免れるであろう。だが、まさにそれは残念ながらありそうにない。計算と観察の結果からすると、今後数十年の間に第3次世界大戦が勃発する可能性は高いと思われるが、実際にそうなればこの途方もない破局の最大の犠牲者となるのは何よりも大多数の民間人であろう。


科学者、第3次世界大戦、飢餓

そしてその罪はとりわけ無責任な科学者にある。彼らは良心と感情を欠いたクローン人間の戦闘機械や、途轍もない殺傷力を持ち、何でも破壊するコンピューター兵器を生み出すであろう。この場合に懸念されるのは、人間による戦闘機械および殺我機械、すなわち戦闘クローンが自立して、独力で地球人や惑星に死と荒廃、破壊と破滅をもたらすようになることである。こうしてすべてが、それまで地球上に存在したこともないほどに凄まじい地獄となろう。この残酷な出来事はちょうど888日間続き、文明は崩壊するであろう。が、この恐るべきシナリオはなおも続くであろう。なぜならば、人間の間に伝染病や流行病やさまざまな種類の疾患、そしてものすごい飢餓が蔓延し、世界経済は完全に破壊されて沈滞し、なんらかの財をも生産することができなくなるからである。言うまでもなくすべての食料や薬品などは配給制となり、これらの財を横領した者は死をもって償わねばならない。しかし戦争の狂気は陸上で広がるだけではない。破滅は大海や大気圏、それどころか宇宙にまで持ち込まれるであろう。また、未来に誕生する海中団地も攻撃されて壊減し、何千もの人間が命を落とすであろう。しかしまた破滅の渦は海中の施設からも生じるであろう。すなわち、海底都市で結成された潜水艦海賊団が、深い海中から浮上して、水面上で艦隊に激しい攻撃を加え、破滅的な戦闘行為に巻き込むであろう。そしてこのときに、地球外勢力が介入して西側の先進工業国を攻撃するという可能性が現実となり得るのである。なぜならば、西側の先進工業国は来るべき邪悪な時代の途方もない災厄に対するすべての責任を負っているからである。


もしこの可能性が現実となったら、そのとき地球外勢力はその匿名性と秘密をかなぐり捨て、無責任な行動をする西側国家によって恐怖におとしめられている人々を助けるであろう。しかしまた黙示録を思わせるような自然災害も発生して、ヨーロッパ中を震撼させるであろう。それにもかかわらずヨーロッパは、途方もなく多くのものが破壊されてもなお存続するであろう。


アメリカの内戦

他方では極西、すなわちアメリカ合衆国では様子は異なり、国土は完全に破壊されていよう。その原因はいろいろあり得る。アメリカは遠い将来までひっきりなしに紛争を起こし続けて、世界中にアメリカに対する激しい憎しみを生み出す。その結果、アメリカを途方もない破局が見舞うが、それは地球の人間にとってほとんど想像もできないような規模に達するであろう。WTCすなわち世界貿易センタービルのテロ破壊は、ほんの始まりにすぎないであろう。すべての黙示録を思わせるような出来事はABC兵器、レーザー兵器、その他信じられないほど殺傷力の強い破壊兵器や、クローン化された殺我機械によって生じるだけでなく、地球の人間によって無責任にも徹底的に痛めつけられた世界と自然が立ち上がり、地球にこのうえなくひどい破壊と死をもたらすであろう。激しい火災旋風とものすごい竜巻が合衆国を見舞い、人間の記憶にないほど凄まじい荒廃と破壊と破滅をもたらすであろう。


アメリカだけでなく、新しい千年紀が始まってもなお、発展途上国や第3世界の国々を制圧し支配できるという狂気を抱いている他のすべての西側先進工業国も、まもなくこれらの国々に対する影響力を失うばかりか、それらの攻撃から我が身を守らねばならなくなるであろう。エノクの預言によれば、実のところ先進工業国は本当の文明国ではなく見せかけだけの文明国とみなさねばならない。なぜならば、彼らは20世紀の終わり、そして新しい第3千年紀の始まりに近づけば近づくほど、ますます一切の真の愛、真の自由と英知、そして真の平和を、そしてまたヒューマニティーと真の人間存在のすべての価値を踏みにじるカ†らである。しかしこうしたすべてのことも、邪悪な出来事が生じた後でさえ引き続きすべての民族に対して攻撃を仕掛けることを合衆国にやめさせはしないであろう。北アメリカ大陸が、それまで記軌こないほどひどい大災害に見舞われようとも、軍隊はコンピューターやABC兵器を駆使して殺教を続けるであろう。その際、コンピューター兵器が自立し、もはや人間にコントロールできなくなるということが起こるであろう。以上がエノクの預言の最も重要な部分の概要だ。


ビリー:だが、告げるべきことはもっとあるはずだ。どうか、それを語ってもらいたい。少なくとも君は私にそう言ったことがある。


クウェッツテル:君は諦めることを知らないね。では預言の中からあといくつか重要なことを語ろう。地球上ではすでに新しい伝染病が人間の間に広がっているが、エノクが預言したところによれば、その後にも数多くの伝染病が続くであろう。1990年代にはエイズが世界中に広がるだけでなく、来たるべき新しい千年紀になっても、いろいろな伝染病が生じるであろう。たとえば、いわゆる狂牛病もしくはBSE、そしてそこからクロイツフェルト・ヤコブ病のさまざまな症状が発生するであろう。エボラと呼ばれる伝染病も、その他の伝染病や病気と同様に多くの死者を出すであろう。そうした病気の一部はまるで流行病のように出現して、それまで経験したことのない地球の人間に謎を投げかけるであろう。


戦争のきっかけ

主として政治に関しては、多くの不気味な事件が起きるであろう。3次世界大戦が始まる前に、フランスとスペインの武装勢力が衝突するであろう。しかしフランスはスペインとの紛争を最後まで戦い抜くことはしないであろう。というのは、ロシアやスウェーデンのように、フランスでも国内に大きな暴動が起こり、政府転覆や内戦に発展するからである。特にフランスとスウェーデンでは、たとえば欧州連合の策謀とその独裁的な発令が、多くの暴動と蜂起に火をつけるであろう。が、これらの国々ではギャングや組織犯罪も寄与して、内戦は避けられまい。これに加えて、生まれつき国籍を持っている者と、移住してきた外国人との間に重大な差別が生じるであろう。外国移民はたいてい自国民とは異なる宗教を信じている。そしてまさにこのことも、時間が経つに連れてますます深刻な紛争を招くであろう。排外主義、外国人排斥、そして他の宗教を信じる者への憎しみが、台頭するネオナチ、テロ、極右主義などとともに日常茶飯事となろう。イングランドやウェールズや北アイルランドでも内戦状態になり、多くの死者を出すであろう。


ロシア、中国、インド

ソビエト連邦はこの80年代に、あるいは遅くとも次の10年間が始まるときには消滅するであろう。そのキーマンとなるのは、ミハイル・ゴルバチョフであろう。だがそれによって平安が訪れるわけではない。なぜかと言うと、新しく生まれ変わったロシアは、長い過去の歴史を引き継ぎ、内モンゴルを巡って中国と衝突するだろうからである。その結果、ロシアは領土の一部を中国に譲渡することになるであろう。

まさにこの中国が危険な国になるであろう。わけても現在すでに理想的な関係にはないインドに対してである。中国はインドに侵攻するであろう。もし生物兵器が使用されたら、ニューデリーとその周辺だけで3000万人が殺されるであろう。それのみならず、その時点では生物剤を装填して使用される爆弾やミサイルはまだ制御できないため、そのときまだ知られていない恐ろしい伝染病が発生して急速に広がり、多くの地域を見舞うであろう。

パキスタンもある事情からインドと交戦するように誘惑されるであろうが、両国は核兵器を開発しているので、それは危険極まりないものとなるであろう。


ロシアのヨーロッパ侵攻

ロシアもまた平安をもたらすことはないであろう。ロシアはスカンジナビアを攻撃し、その結果、すべてがヨーロッパ中に拡大するであろう。そのわずか数カ月前には恐ろしい竜巻が北欧で荒れ狂い、実に多くのものを荒廃させ、破壊するであろう。ロシアの攻撃について言うと、それは夏の期間に、アルバンゲリスクを起点に遂行されるであろう。このときデンマークは戦争行為に巻き込まれないが、その理由はこの国が重要ではないからである。しかしこの戦争行為によってロシアは満足せず、その領土拡張欲は激しさを増すであろう。その結果、ロシア人はその戦力を携えてイランとトルコに侵入し、血なまぐさい戦いとものすごい破壊によって両国を占領するであろう。ロシアのこの領土拡張欲には、中東の石油資源を我がものとし、また南東ヨーロッパの領域に直接到達したいという欲求が根を下ろしている。それゆえロシア人はバルカン半島にも侵攻し、多くの死者と破壊を伴う激しい戦闘で、バルカン諸国を容赦なく壊滅的に打ちのめす。


ヨーロッパの荒廃

またこの時点では、イタリアで大きな自然災害が国土と人間を襲い、それによって大変な困窮が生じるであろう。そのときはまたベスビオ火山が再び噴火し、途方もない災厄を広めるであろう。さらに戦争も国を揺るがせて、多くの人間の命を奪い、大規模な破壊を繰り広げるであろう。

より北方の国々でも戦争の災厄が降りかかるであろう。なぜならば、東方から強力な軍隊が侵入して、殺害と略奪を行い、雨あられのような爆弾とミサイル、そしてレーザーとコンピューターによって制御された前代未聞の殺傷力を有する兵器によってすべてを破壊し、壊滅させるからである。このときまっさきに蹂躙されるのはハンガリーであり、オーストリアと上部イタリアがこれに続くであろう。スイスも深刻な巻き添えを食らうが、本来の攻撃目標とはならないであろう。攻撃目標となるのはフランス、次いでスペインであろう。しかし攻撃者の最終目標はヨーロッパ全体を軍事的に支配することであり、フランスがその本拠地として定められよう。フランスは外部から攻撃者によって占領されるだけでなく、内部からも占領軍への協力勢力やその他の勢力によって占領されるであろう。内部勢力として考えられるのは、その時点でフランスに在住し、異なる宗教、特にイスラム教を信仰する外国人であろう。フランスが陥落すれば、スペインと英国に対する侵略戦争が始まり、それからスカンジナビアに侵攻する攻撃軍との連合が成立するであろう。フランスを拠点としたこれらのすべての戦争行為に、フランス国内に貯蔵されている大量破壊兵器が使用されて、ひどい荒廃と破壊と破滅がもたらされるであろう。東からの攻撃者は、フランス軍を強制的に同盟軍に編入して北欧の国々に対する侵略戦争を遂行させるであろう。北欧の国々のうちスウェーデンとノルウェーが襲われて征服され、その後ロシアに併合されるであろう。フィンランドも軍事力によって侵攻され、多数の死者が出るとともに、大規模な破壊が行われるであろう。その後、国家は完全に解消し、ロシア軍が長期にわたって駐留するであろう。その時点では、ドイツの市民も内戦状態に入り、それと同時に東からの大軍がドイツを攻撃するであろう。ドイツとその国民は、攻撃者のくびきから再び自らを解放することができるであろうが、最初は侵入軍の暴力に屈するであろう。ある期間が過ぎると、諸国民は攻撃者や侵入者に対して決起し、ヨーロッパ中で解放戦争が始まるであろう。ドイツで内戦の嵐が吹き荒れるのと同時に、イギリスでは革命が起きるであろう。それは実に大量の血を流させ、非常に多くの犠牲者を出すであろう。その数はドイツの内戦で出る犠牲者を上回ることが予想される。イギリスとアイルランドは、すでに大分前からIRAとイギリスの警察および軍隊との間で戦争状態あり、そのままずっと続いているので、革命の波はアイルランドにも広がるであろう。特に北アイルランドが最初に見舞われ、場合によりそれは国全体に広がっていくであろう。ウェールズの内戦でも大量の死者が出るであろう。ウェールズでは、第3次世界大戦の前にもいろいろな立場の違いが現われるであろう。ウェールズとイングランドの軍隊が、とりわけカムリ近郊で衝突して、多数の死者を出し、ものすごい破壊を引き起こすであろう。


アメリカの破壊

しかし、ヨーロッパで死と破壊と破滅の嵐が吹き荒れるだけでなく、アメリカでも大変な苦難に耐えねばならず、多くの死者と破壊と破滅を嘆き悲しむことになるであろう。世界で最悪の大量破壊兵器を所有しているアメリカとロシアは、今日でもいく分かは言えることであるが、その時点で互いに巨大な軍事力をもって衝突し、カナダもこの紛争に巻き込まれるであろう。そもそもの発端は、ロシア人がアメリカのアラスカとカナダを攻撃することであろう。それから大量の死、破壊、破滅、伝染病などが、地球人がそれまでに見たことも経験したこともないような規模で荒れ狂うであろう。大量のABC兵器だけでなく、コンピューターによって制御され、ものすごい破壊威力を発揮する兵器システムも使用される。このような兵器システムは現在すでに開発の初期段階にあるか、または第3千年紀になってから発明され設計される。すでに言及したが、凄まじい自然災害もアメリカ全土を襲うであろう。大規模な森林火災や巨大なハリケーンが国中で荒れ狂い、戦争行為のありとあらゆる恐ろしい結果と並んで、何千という死者、そして破壊と破滅をもたらすであろう。アメリカのマンモス都市は完全に破壊され、大火災が数多くの災厄を引き起こし、実に悲惨な状況をもたらすであろう。そのときは巨大な地震や火山の噴火も起きるが、これらもまた多くの苦しみや死や悲惨、そして途方もない破壊と破滅をもたらすであろう。なぜならば、全自然と惑星自体が地球人の狂気に対して反抗するからである。しかし竜巻や地震や噴火はアメリカだけでなく、ヨーロッパやそれ以外の世界でも猛威を振るうであろう。


自然環境の激変

が、こうした出来事の発端はすでに今日の時代に、さらには過去数十年間にあり、それらが将来はるかに激しくなるにすぎないのである。そしてその罪は今日も、将来も大部分は地球の人間にある。人間は、すべての環境、すなわち自然、大気、水域、そして惑星の資源を破壊している。それによって地球内部で重量が変位する。これはたとえば巨大な貯水ダムや、石油や天然ガスなどを採掘した結果生じる空洞によって起こる。それにより、地球内部で不自然なずれが生じ、それが地殻構造に対する不自然な影響、ひいては地震や火山の噴火を招く。それはさらに大規模な気候変動を引き起こし、その結果途方もない破壊力をもった巨大な竜巻が発生し、最後には世界中でその破壊力を発揮するであろう。これらすべての結果、激しい洪水や異常な量の降雪がますます増えるであろう。降雪は南の国々でも起こるようになり、最後には赤道地帯にまで達するであろう0それというのも、人間の狂気により、地中と地上で核爆弾を爆発させた結果、地球は気づかないうちにきりもみ状態におちいり始めたからである0そしてこれが原因となって、この惑星はゆっくりと、しかし確実に太陽の回りで異常な横揺れ軌道を取るであろう。その第1段階はすでに始まっているが、それによって気候変動が生じ、新しい氷河期の到来を招く。しかし地球上の悲惨な状況はさらに続くであろう。


アメリカの内戦

なぜならば、アメリカで2つの大規模な内戦が相次いで勃発するからである。その後、アメリカ合衆国は互いに激しい敵対関係に陥り、やがてアメリカの州は5つの領域に分かれる。その際に教派的な狂信者が独裁的な役割を果たすことは防げまい。


世界的な無政府状態

世界中が無政府状態に陥り、それは長きにわたって人間を苦しめるであろう。ありとあらゆる伝染病や疾患や流行病も同じく人間を苦しめるが、それらの多くは新種で、人間には未知のものであるため治療も不可能であろう。そのため多くの人間の体は徐々に崩壊していくであろう。その際に耐え難い痛みとともに、失明や、窒息死に至る恐ろしい呼吸困難も現われるであろう。多くの人間は意識を患い、精神薄弱や狂気に陥るであろう。こうしたぞっとするような事態はすべて生物兵器と化学兵器に起因するであろう。これらの兵器により、人間はすぐに死ぬのではなく、残酷にもゆっくりと死んでいくのである。光線兵器や振動兵器によってもそうなるが、それらの前身はすでに開発されている。最後にエノクの言葉を特別に伝えよう。地球の人間は、へノク族から出た地球人の祖先と同じく、大量破壊兵器を、その権力欲、憎悪、復讐欲、そして金銭欲に駆られ、創造のあらゆる価値を無視して、すべての愛、英知、自由および平和を踏みにじり、自らとその世界をこのうえない悲惨に、死に、破壊と破滅に、そして最大の破局に陥れる。地球の人類はいつかそれを体験するであろう。

ビリー:だが、まだエノクの預言のすべてではないね。


クウエツツアル:たしかにその通りだが、上に語ったことで十分なはずだ。

ビリー:ああ、ちょっと待って、友よ。君がエノクの預言を語ったとき、私の頭を1つの疑問がよぎった。それは、いったいどうしてスイスもそういう仕打ちにあわなければならないのか、つまり外国の軍隊に揉珊されなければならないのか、ということだ0それには何か理由があるのかね。我々の国は中立国として尊敬され、戦争行為から守られるべきだと思うのだが。


スイスの未来

クウエツツアル:スイスが本当に中立にとどまるならば、戦争行為からも守られるであろう。しかし以前の預言で指摘されたように、国民や政府の多くの無責任者により、彼らの表向きの表明や約束に反して、この平和の国は真の中立を失うであろう。無責任者たちは、今日すでに準備し目指しているのであるが、国連とNATO、さらに現在成立しつつある欧州連合に加盟するというのが事実であろう。それによってスイスの真の中立は破壊される。しかもそれはすでに言ったように、責任ある統治者や、たぶらかされた国民のあらゆる主張に反してなされるのである。国連とNATOによって、スイスとその市民も戦争行為に巻き込まれるであろう。国連は本来純粋に平和的な組織であるはずだが、それを維持することはないであろう。なぜならば、新しい千年紀において国連軍も兵器を使用するからである。たとえそれが場合によっては防衛的なものにすぎなくとも、戦争行為であることには変わりなく、国連軍の隊列においても死が猛威を振るうことになろう。だがそれだけではない。すでにヨーロッパのさまざまな政府高官の間で欧州連合を創設する考えが生まれており、それに属する人間の自由は著しく制限され、各国の政府もまた自らに委託された国を欧州連合に高く売りつけ、欧州連合は非常に強い独裁的な傾向を持つであろう。欧州連合の本部はベルギーの首都ブリュッセルに置かれ、そこで責任者たちは欧州連合に加盟した国々とその国民が支払う法外な補償金を得るであろう。責任者たちはこの補償金を正当な報酬と呼ぶが、そのために欧州連合に加盟するすべての国々の市民は額に汗して懸命に働かねばならないであろう。そのおかげで欧州連合の責任者たちは市民の負担で贅沢三昧に暮らすことができ、自分たちの支持者の愚かさ加減をあざ笑うのである。個々の国やブリュッセルの欧州連合の統治者たちはさらに進めて、自分たちを批判したり、拒絶したりする者を告訴して罰しようとするであろう。欧州連合のこうした行動が最後には決定的な理由となって、東方から軍隊がヨーロッパに侵入し、すべてのものを破壊し、隷属させることになろう。もし、差し迫っている預言が実現しないように、ヨーロッパの全国民とそれらの政府がすべてに理性的に対処しないならばである。ビリー:計画されている欧州連合への加盟はいつ頃になるのかね。スイスのことを言っているのだが。

クウエツツアル:スイス政府の責任者によりすでに来るべき90年代にその準備がなされよう。が、本当に加盟するのは次の千年紀になるであろう。残念なことに、統治者にあっても、大部分のスイス国民にあっても、無分別が理性に勝るであろう。そのため統治者たちは全く妨げられることなく、やりたい放題するであろう。したがって、もしスイス国民がまだ理性的にならず、奴隷状態や戦争につながる策謀に対抗しないならば、最後にはスイスにも破局が訪れるであろう0ヨーロッパ諸国、したがってまたスイスの国民は、すべてを阻止し、善い方向に転じるための時間がまだある。しかし、理性が勝利し、差し迫っている邪悪を阻止するかは疑問である。なぜならばそうすることができるのは向こう数年間に限られており、その後ではたちまち遅すぎてしまうからである。


ビリー:理性に希望を託すしかないが、そうした希望は無意味だと私は思う。


クウェッツアル:君の見通しはおそらく正しいだろう。残念ながら。